【易】変わらぬ関係を守るためには、変わり続けねばならない。雷風恒
雷風恒(らいふうこう)という卦も、
易に興味を覚えた当初の印象とは
結構ちがうなぁと感じている。
この卦が出た時、特に男性陣には注意して欲しい。
雷風恒で検索すると
「方針を変えないこと」
「関係が長く続いていく夫婦の卦」
「新しい事には手を出すな」
といった解説が多い。
ところが「雷」は動きの激しい要素だし、
「風」もまた一定の形を持たず、
どのようにでも向きを変えてしまう。
動かないどころか動き続ける要素ばかりで、
変わり続けるしかない卦である。
どういう事だろうか?
カップルであれば、
互いに臨機応変に、相手に合わせて動き続けること
が大前提となる。
例えるなら社交ダンスのようなもので、
まずは相手の歩調や、テンションを把握する事。
それから、そのリズムに合わせて自分の立ち位置
を調節し、一歩一歩動き続けること、
相手をアシストしていくこと。
これによって、2人は永遠にダンスを続ける形となり、
他人の入る余地はなくなる。
ところが男性の場合は、
「自分の方針を変えちゃいけない」とばかり、
相手に合わせるどころか逆に
はなから頑固に自分の有り方を貫こうとしがち。
その考え方では、正しい雷風恒が成立する前に
相手に幻滅されて、相手が去って行く事になる。
春夏秋冬、
季節が表情豊かにうつろい続けることで、
地球上の営みは永遠に続いている。
相手が困っていればアシストし、
自分が困っている時にはアシストしてもらう。
状況が変われば、役目が入れ替わる。
病める時も健やかなる時も、そのようにして
変わらず協力しあう事。
決して、1人で突っ走らず、勝手に道をそれず。
それがこの卦の肝だと思う。
世の中には、どんなに協力し合ってるつもりでも、
どちらかが裏切ったり、思わぬ事故で関係が壊れ
てしまう事が少なくない。
その点この卦は、協力していけばずっと関係が続く
と示している訳だから、ありがたい話である。
(結構ロマンチックな卦じゃないか?)
伝統芸能の世界においても、この卦は示唆に富む。
古くからの伝統を守り、後世に残していくには、
時代に合わせ表面的な改編を加えなければならない。
時々「これが伝統だから!守ることが正義」
とばかりに、もう世間からはすでに正義と呼ばれなく
なった古いやり方を堅持しようとする人達がいるが、
そういう集団は、さみしく崩壊していく。
伝統芸能も、常なる変化を加えてこそ初めて
ブランドが残り、維持されていくというのが
大原則になる。
教育現場にも言えることで、
例えばかつては野球の強豪高だったからと言って
いつまでも当時のやり方を正しいと思い込み、
新入1年生に延々とうさぎ跳びをやらせていては、
本人達のヤル気を削いで幻滅させてしまうだけでなく、
他校にあっさり出し抜かれてしまうものだ。
指導者には肝に銘じておいて欲しい卦かも知れない。
また毎日、時刻通りに同じ場所を走り続けている
電車などは雷風恒の際たる姿のように思う。
これを維持するにも、やはり日々の多岐に渡る
メンテナンスが必要で、経営を正常に保つためには
物価に合わせて乗車賃を改定せねばならないし、
車内ルールも新設(分かりやすいので言えば
「女性専用車両の設置」「車内の禁煙化」など)、
改札のキャッシュレス化や、ホームの改造など。
意外と大胆に、常から変化し続けている事を
見落としてはいけない。
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